さくりの子育て

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子どもの習い事、いつから、どれくらい?

こんにちは、南ドイツ在住で子ども2人(6歳、4歳)とドイツ人夫と暮らすさくりです。

 

東京に住む友人(3児にお母さん)とオンラインで話していて、子どもたちの「習い事」について改めて考えました。

現在、6歳の娘は週一回、音楽教室に通い、別の日に、息子と私と一緒に日本語の遊びグループに参加しています。4歳の息子は、音楽教室にも一緒についてきていますが、あくまで付き添いなので、レッスン中は本を読んだり、一緒にうたをうたったり。自分の習い事は特にしていませんが、最近になって「サッカーがしたい」と言うようになりました。

わが子にとって習い事を始める適齢はいつか、何を習わせたらいいのか、せっかくたくさん吸収できる年齢なのにチャンスを逃していないかなど色々な疑問や不安があります。

 

そこで、今日は「子どもと習い事、いつから、どれくらい? Kinder und Hobbys -ab wann und wieviel? 」というドイツ語記事を訳しました。

 

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(Stefanie Gentner 2016年11月15日)

月曜日はサッカーの練習、水曜日はドラム、週末は試合。習い事は大切だと発達心理学者たちは言う。しかし、子どもにはいくつの趣味が必要なのか?どの習い事がいいのか?そして、放課後(=習い事をする時間)がストレスになるのはいつからなのだろうか。

 

わが子に合った習い事を見つけるには?


発達心理学者や教育学者たちは、「子どもは(興味があることを)サポートされるべきで、無理を強いられるべきではない」と助言する。習い事は何よりもまず楽しいものでなければならない。親は子どもを観察し、導き、サポートする役割を担っている。子どもが何歳であろうと、大切なのは、わが子は何をするのが一番好きなか、何を主体的に、特に長い時間取り組めるか、何を上手くできるかといった問いだ。

 

なにより、親が何を望んでいるかは、ここでは全く重要ではない。父親がテニスを好きだからといって、息子もテニスを好きでなければならないわけではない。また、音楽のできない子どもを毎週ピアノのレッスンに通わせるのも、楽しいことではない。とはいえ、子どもがまだ何かはっきりとした興味を持っていない場合は、ある意味「強制」されることもありだと、コブレンツ・ランダウ大学の発達心理学者、クラウディア・クアイザー・ポーア博士は言う。そこで大切なことは、子どもをよく観察し、子どもと話し合い、さらにはそこにコーチや先生を巻き込むこと。興味を持たせるために、こちらが働きかけて試してみることが、うまくはじめの一歩につながることもある。ただ、子どもが楽しんでいないのであれば、その習い事はやめた方がいい。新教育ワーキンググループ(Arbeitskreis neue Erziehung)の理事長ハイデマリー・アーノルドは、「子どもたち自身が自分の興味が何かをきちんと見極められるようになることがベストだ」と言う。アーノル氏は、思春期以前の子どもたちは頻繁に習い事を変えることが多いが、そのことを心配する必要はないと考えている。これは、自然な発達過程と考えるべきだ。子どもたちはその習い事自体に興味があるというより、親友と一緒に何かをしたいのだろう。習い事によるプレッシャーやそれを強制されることがないことが重要なのである。

 

習い事を勧めるのは良いが、無理させることは禁物

 

どのような習い事であっても、一度「これ」というものが見つかったら、それは子どもにとって良いことしかない、と教育関係者は一同にして答える。学校以外でも、スポーツや音楽クラブは、子どもの発達にとても大切だ。音楽は感情や認知能力を促し、スポーツは子ども運動神経に良い影響を与える。ゲーム機やパソコン、テレビのいい埋め合わせにもなる。しかし、親は詰め込みすぎてはいけない。発達心理学者のクアイザー・ポールは、多忙なスケジュールや放課後や休日のストレスを抱えた子どもたちにも詳しい。だからこそ、ポール氏は「小学生には、習い事は多くて週に2日、 それ以上では、スケジュールに追われた子ども時代と化してしまう」と言う。

 

過剰な習い事=ストレスを抱えた子どもたち?


マーケティング調査会社iconkids&youthの調査によると、6歳から12歳の子どもの3人に1人が、遊ぶ時間が十分にないことに不満を抱いており、10歳から12歳では、2人に1人がスポーツ、音楽レッスン、宿題などで自由な時間が少ないことに不満があることがわかった。

しかし、親は子どもにとって最善のことを望んでいるに過ぎない。この親たちのことを、最近流行の新しいドイツ語で「ヘリコプター・ペアレンツ」と呼んでいる。何が子どもにとってベストかきちんと理解しているのか、疑問は残る。ビーレフェルト大学がベーパンテン子ども財団の委託を受けて実施した調査によると、ストレスを抱える子どもの親の87%が、自分が子どもに過剰な負担をかけているとは認識していないことが明らかになった。また、50%の親が、自分は子どもに十分に機会を与えきれてないとさえ思っている。そして、良かれと思ってやっているだけで、自分自身のことはなおざりになっている。なぜなら、子どもの習い事は、家族全員が駆り出されることが多いから。しかし、1日は24時間、1週間は7日しかない。そして、親自身もきっと大変な仕事に就いていることだろう。では、いったい限界はどこにあるのだろうか。雑誌「シュピーゲル」は、2013年8月に、すでに「親に告ぐ!子どものために何でもする - そして傷つける」と見出しを打っていた。
それ以降も、依然として親は子どものためにすべてを捧げている。"早期教育 "は社会的に認知された価値観であり、早くから才能を発見することは、一種の義務なのだ。しかし、専門家たちは、子どもには、自分で何かを見出す、何の予定もない時間も必要だと指摘する。外で思いっきり遊んだり、子ども部屋で音楽を聴いたり、工作をしたりと、自由な時間が子どもの発達と創造性を高めることは間違いない。特に退屈であることは、重要な経験です」と発達心理学者のクアイザー・ポー ルは言う。

そして、子どもは他人と自由に遊ぶことで、社会性を学ぶこともできる。結局、習い事と自由時間のバランスが取れていることが大事だと教育者は助言する。新教育ワーキンググループのハイデマリー・アーノルドのいう、「習い事というのは、極めて大人向けの概念で、子どもはたいてい遊びたいだけ」という側面は、多くの熱心な親にとって平手打ちを食らうようなことなのかもしれない。

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元記事

※ 原語では「Hobby=趣味」の単語が使われていますが、訳文は内容から「習い事」に統一しています。

www.familie.de

 

すぐに辞める癖をつけてほしくないと思う部分もあるけれど、低学年のうちは、いろいろと試させるというのもありだと改めて思いました。

 

長文、読んでくださり、ありがとうございました。

 

さくり

 

 

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sakuli.hatenablog.com