さくりの子育て

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ベビーカーお断り[公共交通機関] ドイツの一例

 

こんにちは、さくりです。

6歳の娘と4歳の息子とドイツ人の夫と南ドイツで暮らしています。

 

日本のニュースでよく見かける、公共交通機関のベビーカー問題。

ドイツではベビーカーを堂々と押しながら、気軽に地下鉄もバスもなんにでも乗ることができる点は、住みやすい点の一つです。田舎町に引越してきたばかりのころ、都会のバスほど、バスの構造がベビーカー向きではなく、降車ドアと地上の高さがかなりあり、戸惑っていると、バスに乗っていた、中学生くらいの男の子がベビーカーをおろす作業をすかさず手伝ってくれたことがります!これには感動しました。基本的に、ベビーカーに関することで嫌な思いをしたことはほぼありません。

ただ、一度だけ、嫌な経験をしました。それは、娘がまだ3ヶ月頃の話。

夜に開催されたとある会合に、娘を連れて参加した際、ベビーカーを留める場所を私が間違っていたようで、雨の降る中、ベビーカーが外に放り投げてありました。もちろんベビーカーは濡れて、娘を寝かせるどころではありません。幸い、抱っこ紐も持参していたので、娘を抱っこして帰りました。

正直「子連れに基本的に寛容なドイツでもこんなことあるんだ」と思った出来事でした。会合が行われていた場所は、普通の集合住宅のたてもので、一階部分は子育て支援センターが入っている「子ども連れにはなれている住民」が住んでいるだろう建物ではあるのですが、ベビーカーを放り投げた張本人は、もしかしたら日ごろから、いろいろと子育て支援センターの利用者に不満があった人なのかもしれません。そして、支援センターを利用しているものとして、自分の普段の行動を振り返るきっかけとなりました。「ベビーカーの置き場所を間違えたぐらいで」と思う自分と、毎日誰かしら置き場所を間違えて住民に迷惑をかけているのだとしたらと、内省する自分。

 

そんな過去を振り返りながら、今回はドイツ語で「ich hasse Kinderwagen im ÖPVM(公共交通機関でのベビーカーが嫌い)」という、どストレートな一文を入れて検索してみました。そこで出てきた2018年の記事を訳しました。

 

結論 ドイツにも、ベビーカーを乗せないバス運転手はいた! です。

 

バス運転手がベビーカーと母親を乗車させず放置 【底なしの不謹慎さ】

 

2台のバスが停車したが、どちらの運転手も、ベビーカーのある母親2人の乗車を拒否した。母親たちは唖然とした。

 

事件からほぼ1週間が経った今も、アニタ・シュテュービンガーは憤っている。バス停でベビーカーとともに雨の中に置き去りにされたことは、「底なしの無礼」だと、26歳の彼女は本紙のインタビューに答えた。バス会社の支社長イェンス・フェルスターは、この母親の憤りに理解を示す一方、バスの運転手はルールに従って行動したのであり、落ち度はなかったと主張する。

 

この「無礼な行為」は先週金曜日の午後、暗い嵐の雲がすでに立ち込めていたころに起こった。母親と友人は、バス停に立っていた。「友人はベビーカーに乳児を乗せ、3歳の娘と手をつないでいました。私は1歳の息子をベビーカーに乗せていて、現在は妊娠3カ月です」と母親は状況を説明する。バスは停車したが、運転手は女性たちに「乗せられない」と告げた。バスは満員だったからだ。「でも、まだ空席がありました。もし、立っている乗客に座ってもらえば、私たちは簡単に乗れたはずです」と母親は振り返る。

 

次のバスは30分後に来たが、「10分遅れ」だった。「運転手はドアを開けましたが、乗せないと言ったんです。すでにバスにはベビーカーが1台乗っていて、1台しか乗せられない決まりがある、と」。母親2人は唖然とした。「連結バス(バス2台が連結している大型バス)だったので、3~4台のベビーカーを乗せるスペースがあったはずです。」

 

結局、母親たちは別のバスに乗車することにしたが、この路線は家の近くには停車しないため、交通量の多い通りを歩かなければならなかった。「金曜日の午後遅く、ラッシュアワーの交通量の多い11号線をベビーカーで渡るなんて、命にも危険なことです」

 

「怒りを通り越しています」同日夜、母親はバス会社に怒りのメールを書いた。会社側はこれを理解する一方、「私もおそらく同じような反応をしていたでしょう」と、バス運営会社の支店長は運転手の2人をかばうコメントをした。1台目のバスは満員で、2台目の連結バスにはすでにベビーカーが乗っていた。「連結バスには、ベビーカーや車いすのための特別使用エリアが1つしかありません。残念ながら、この特別使用エリアは非常に限られています」と説明し、理解を求める。乗客の安全が最優先であり、現場での判断はバス運転手が「最終権限者」であるという。「何かが起こったときは、運転手に責任があります。そのため、バス内の避難経路が確保されていることも重要なのです」

 

もちろん、バスに乗りたい人が文字通りの「雨ざらし」になってしまうのは「残念なこと」だと会社も認めている。そして運転手と乗客の「葛藤」についても、認識している。しかし、ベビーカー1台までの規則がある以上、それは避けられないという。「バス会社の発注に従って、自動車メーカーが特別使用エリアを指定します」とはバス会社は説明する。ベビーカーや車椅子のためのエリアを広くとることは、「私たちのクライアント」である市町村や自治体から要求される必要があり、「私たちはそれに応じて製造メーカーに注文しなければなりません」。

 

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元記事

www.merkur.de

 

参考記事

joshi-spa.jp

 

記事を読んでみて、東京都で起きた、双子ベビーカーの乗車拒否と本質的には似ている部分があると感じました。運転手に理解が足りないというわけではなく、バス会社の「安全を提供する上での規則」が臨機応変な対応を阻害しているということです。バスがガラ空きなら、双子ベビーカーも乗せられたはず。ドイツの例の場合は、一台先に乗ってあろうとスペースに余裕があるのなら、2人のお母さんは雨の中、1時間以上もかけて自宅への帰宅をしなくてすんだはず。ただ、運転手には乗客全体を安全性を守る義務がある上、自己判断をしてリスクを取る人は少ないでしょう。

 

結局のところ、利用者が自ら声をあげなければならないという現実があるようですね。

東京都の場合、お母さんがあきらめずに声をあげ、最後を小池知事に直接現状を説明して都営バスのルールを変えることを実現されたようで、本当に頭が下がる行動力です。

 

ひとりでも多くの子どもたちと、その子たちを育てる親、大人が過ごしやすい環境がもっと整うといいなと願います。

 

今日も、最後まで長い投稿を読んでいただきありがとうございました。

 

さくり